てんかん(癲癇、''Epilepsy'')とは、脳細胞のネットワークに起きる異常な発火(以下、てんかん放電)のためてんかん発作を来す疾患あるいは症状である。WHO国際疾病分類第10版(ICD-10)ではG40。「キリストの変容」ヴァチカン美術館 1518年|1518-1520年|20年。右下の半裸の子供はてんかんの特徴を表している。聖書にもてんかんとみられる例がいくつか書かれている
概要
てんかんは古くから存在する疾患のひとつで、古くはソクラテスやガイウス・ユリウス・カエサル|ユリウス・カエサルが発病した記録が残っている。また、昔は「子供の病気」とされていたが、近年の調査研究で、老若男女関係なく発症する可能性があるとの見解も示され、80歳を過ぎてから発病した報告例もある。てんかんの症状として、昔から「てんかん=突然倒れて、泡を吹く病気」とされてきたが、近年の研究の成果により必ずしもそうではないことが判った。しかし、啓蒙活動が足りないせいか偏見によるものか定かではないが、未だに「てんかん=突然倒れて、泡を吹く病気」と認識している人が多い。てんかん発作に伴う主な症状は、強直性、間代性などの不随意運動、つぁ
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病状と対応
てんかんは特に全般発作時の激しい全身の痙攣から、医学的な知識がない時代には狐憑きなどに代表される憑き物が憑依したと誤認され、近代においても痙攣の激しさから対処法を知らぬ者で、患者が困惑させたり、時に周囲がパニックを起す事もあり差別の対象と解する者がいる事も否めない。発作時にはこれといった応急処置はなく、患者が暴れて段差から落ちたり壁などに体をぶつけて怪我をしない様に、周囲の者が安全確保をすることが必要となる。余裕があるようなら、発作時の症状を観察しておくと治療に役立つことがある。発作が断続的に持続する場合(5分以上)にのみ、救急車を要請する。強直性の発作時には口の中や舌を噛んでしまう事があるため、以前はマウスピースとして清潔なハンカチを巻いた鉛筆や箸を噛ませるように指導されていた時代もあった。しかし現在では、鉛筆や箸で口内や歯を損傷したり処置者が受傷する等の危険もある上、極稀に発作時嘔吐する場合もあり、ハンカチを巻いた鉛筆や箸を噛ませた事により、嘔吐物が気管に誤って入り肺炎になったり、時として気管に詰ぁ
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[ 薬物療法 ]
現在日本で使われる抗てんかん薬には、
などがある。正常な脳が何故、てんかんを起こさないのかという問いかけに対して、2007年現在、薬理学では次のような解答が出されている。正常な中枢神経にはニューロンのシグナル活動を微調整する機構が備わっている。それはイオンチャネルの不応期とGABA作用性の介在ニューロンによる周辺抑制という機構である。例えば部分発作の場合は、電気活動の亢進による細胞レベルでの発作開始、周辺ニューロンとの同期、脳の隣接領域のへの伝搬という3つのプロセスが発作には必要となるが上記の機構が働いていれば通常、このようなことは起こらないと考えられている。これらの機構が破たんすることにてんかんの原因があると考えられており、実際一部のてんかんではナトリウムチャネルの異常が指摘されている。2007年現在行われている、薬物治療は発作の臨床型によって薬を使い分けている。用いる薬物は基本的にァ
J%H%j%&%`%A%c%M%k$rM^@)$9$k$b$NT型カルシウムチャネルを抑制するもの、GABAの抑制作用を増強させるものの3種類がある。ナトリウムチャネルを抑制するものとしてはカルバマゼピン(CBZ)(テグレトール®)やフェニトイン(PHT)(アレビアチン®)がよく知られており、T型カルシウムチャネルを抑制するものとしてはバルプロ酸ナトリウム(valproic acid;VPA)(デパケン®, デパケン®R(デパケンの徐放剤), バレリン®)、エトスクシミド(ザロンチン®)がよく知られている。GABAの抑制作用を増強させるものとしてはジアゼパム(DZP、DAP)(ホリゾン®、セルシン®)やフェノバルビタール(PB)(フェノバール®)がよく知られている。基本的にはナトリウムチャネルを抑制するものは部分発作と二次性全般発作に効果的で欠神発作には殆ど効かず、T型カルシウムチャネルを抑制するものは欠神発作に効果的である。一応はこのように分類はされているが、抗てんかん薬は薬理作用が\xA1
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$k$?$a!"B>$N93てんかん薬で代用が可能なことが多く、副作用コントロールのために第一選択ではない薬が投与されることが非常に多い。例えばバルプロ酸はT型カルシウムチャネルを抑制するものとして分類されているが、ナトリウムチャネルも抑制するため、部分発作の治療にも用いられる。
てんかんの治療目的は重積発作などの緊急性のてんかんからの回復、慢性てんかんの再発の防止である。
緊急時は呼吸抑制に注意しながらジアゼパムを、血圧の低下に注意しながらフェニトインをゆっくり静注する。ジアゼパムはめまいや運動失調などの副作用が著しいため急性期の治療以外では基本的には使わない。
原則として単剤投与でコントロールする。使用薬剤はてんかんの型によって異なる。傾向としては、バルプロ酸が全般発作向きであり、カルバマゼピンが部分発作向きである。
てんかん発作の分類
てんかん発作は異常発火の起きた部位や、広がり方によって異なる症状を示す。発作の起こり始め(起始)における異常発火の広がりによって大きく全般発作と部分発作の2つに分類される。
[ 全般発作 ]
発作の起始から大脳皮質全域にわたる発火の場合を全般発作と呼ぶ。全身の痙攣を引き起こす全般性強直間代発作(いわゆる大発作)や、意識消失が主体でけいれんを伴わない欠神発作が含まれる。他に汎ミオクロニー発作、強直発作、脱力発作などが含まれる。
・欠神発作(小発作)
:前兆は存在しない。突然生じる意識の短い中断であり、ぼんやりと一点を見つめていることが多い。時に舌をなめたり、素早いまばたきを行うような運動症状がみられる。;強直間代発作(大発作)
:突然発症する。部分発作や複雑発作の先行症状がない。;ミオクローヌス発作
:尿毒症、肝不全、クロイツフェルトヤコブ病に合併することが多い。短時間の筋肉の収縮による不随意運動である。
[ 部分発作 ]
脳の一部のみで発火が始まる場合を部分発作と呼ぶ。さらに、意識障害を伴わないものを単純部分発作、意識障害を伴うものを複雑部分発作と呼ぶ。なお、発作の起始には脳の一部から発火が始まり、その後発火が大脳皮質全域に広がる場合を二次性全般化発作と呼ぶ。二次性全般化発作はいわゆる大発作と類似の症状を呈するが、発作初期の発火様式から部分発作に分類される。
・単純部分発作
:異常活動の脳内局在により症状が異なる。運動野ならば不随意な反復運動、感覚野ならば異常感覚、視覚野ならば閃光が見られる。手に始まった震えが腕や足に次々と進展していく場合をジャクソン行進という。原則として意識は保たれる。;複雑部分発作
:側頭葉てんかんがもっとも有名である。典型的には側頭葉(扁桃体や海馬)や前頭葉の異常活動を原因とする症状を示す。活動の中断や現実感の喪失といった意識変容も見られ、時に不随意な自動症を伴う。自動症は単純な反復運動や運転、楽器の演奏といった高度に熟練したものまで幅広く考えられる。典型的には恐怖、記憶障害、言語障害、知覚異常などの前兆が存在する。発作期は記憶障害がある。;二次性全般化
:単純発作または複雑部分発作の症状から症状が開始し殆どの場合は強直間代発作に進展する。前兆が存在し、意識は消失する。強直間代発作との鑑別が難しい。
てんかん発作と非てんかん発作
てんかん発作と紛らわしい非てんかん発作(疑似発作)がある。
てんかん発作の誘因
仕事以外にも、スポーツを行った事により起こす事もある。
転校やクラス替えによる環境変化、勤務先での異動や仕事の内容など変化、旅行や電車・車移動における環境変化など他人の目からみれば些細な事でさえ発作を起こす場合がある。「脳波検査などで以下の誘因を使い誘発させあえて発作時の脳波を測定する場合もある」
てんかんの種類
てんかんには多くの種類があり、種類によっては知的障害などの後遺症を残す場合もある。養護学校などでは、てんかんの危険性がある児童生徒にはヘッドギアを付けている。点頭てんかんでは「ヒプスアリスミア」と呼ばれる乱雑な脳波がある。以下、てんかんおよびてんかん症候群の国際分類を示す:* 局在関連てんかん
特発性
: ローランドてんかん
: 後頭部に突発波をもつ小児てんかん
症候性
: 側頭葉てんかん
: 前頭葉てんかん
: 頭頂葉てんかん
: 後頭葉てんかん
: コシェフニコフ症候群
特発性
: 良性家族性新生児けいれん
: 良性新生児けいれん
: 乳児良性ミオクロニーてんかん
: 小児欠神てんかん(ピクノレプシー)
: 若年欠神てんかん
: 若年ミオクロニーてんかん(衝撃小発作)
: 覚醒時大発作てんかん
: 上記以外の全般性特発てんかん
潜因性・症候性
: 点頭てんかん(West症候群)
: レンノックス(レノックス)・ガストー症候群
: ミオクロニー・失立発作てんかん
: ミオクロニー欠神てんかん
症候群
:早期ミオクロニー脳症(EME)
: サプレッションバーストを伴う早期乳児てんかん脳症
: 多数の疾病状態を合併する可能性があるてんかん発作
全般性・焦点性発作の両方をもつもの
: 新生児発作
: 乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)
: 徐波睡眠期に持続性棘徐波を示すてんかん
: 後天性てんかん性失語(Landau-Kleffner症候群)
明白な全般性あるいは焦点性の特徴を欠くてんかん
状況関連性発作(機会性発作)
: 熱性けいれん
: 単独発作あるいは単発のてんかん重積症
: 急性代謝障害あるいは急性中毒の時に起こる発作
てんかんである(あったとされる)著名人
ステージ上で発作を起こすこともあり、自殺の一因になったとの説もある。
亡くなる最後の数ヵ月前に発病し、てんかん重積が原因で死亡した。ちなみに、その発作は50分間も続いた。
幻覚を引き起こす強直間代性発作にかかっていた。死後に核磁気共鳴画像法|MRIで調べた結果、側頭葉癲癇の傾向と一致していたことが判明した。
多型性神経膠芽腫の最初の徴候として、めまいや短時間の記憶喪失|ブラックアウトと同時に、焼けたゴムの様な臭いがしていたという。そして、腫瘍を取り出す手術を施されたにもかかわらず、6ヵ月後に死亡した。
子供の時に発症し、姉のジェーンも頻繁な発作に罹っていて、早世したことから、遺伝からくるものだったのではないか、と推測されている。彼は自身のてんかんを恥じていて、生涯周囲には隠していたという。しかし、自身の日記で各々の発作の様子を記していた。
晩年に脳卒中に倒れた後、部分てんかんに罹った。
慢性的な頭痛や一時的なブラックアウトに悩まされ、酷いときには4日間も昏睡状態に陥ることもあったという。
夜中に短時間しか眠らなかったというエピソードは、睡眠中に発作を起こすため、連続した睡眠が得られなかったことに起因している。なお、彼は一般に「3時間しか眠らなかった」と言われるが、実際は昼寝をしていて、それを含めれば6〜8時間に達していた(当時彼に仕えていた人の日記などからそう判断される)。
側頭葉癲癇が、彼にインスピレーションを与えていた原因の一つである、という分析がある。人物については:en:List_of_people_with_epilepsyを参照のこと。
関連項目
[てんかんを取り扱った作品]
外部リンク

